膝を曲げる・伸ばすと
痛いのはなぜ?
膝の曲げ伸ばし時の痛みは、日常生活に大きな支障をきたす症状です。
痛みの原因は様々で、加齢による変性から急性の外傷まで、多岐にわたります。在宅でのケアで改善が見られない場合は、何らかの疾患が潜んでいる可能性があります。
膝の痛みの症状と
考えられる疾患
膝の痛みはさまざまな原因で生じ、痛む部位や動作によって考えられる原因が異なります。以下のチェックリストを使って、現在の症状を確認し、考えられる原因について理解を深めましょう。
膝を曲げたり伸ばしたりすると痛む
膝の曲げ伸ばしで痛みが生じる場合、腱炎(ジャンパー膝、ランナー膝)や、関節の異常(変形性膝関節症など)が原因となることが多いです。このような痛みはスポーツや日常的な動作で悪化することがあり、安静やサポートが重要です。
階段を上り下りすると痛みが強くなる
階段の昇り降りで痛みが増す場合、半月板の損傷や関節炎の可能性があります。階段のような膝に大きな負荷がかかる動作が原因で、半月板が傷ついたり炎症が悪化したりすることがあり、特に関節内の問題が関わっていることが多いです。
膝の内側または外側に痛みがある
膝の内側や外側など特定の部位に痛みが集中している場合、靭帯の損傷(内側側副靱帯や外側側副靱帯の損傷)や、腸脛靭帯炎(ランナー膝)が原因である可能性があります。このような痛みは運動中や動作によって発生しやすく、靭帯のサポートが必要な場合もあります。
朝起きたときに膝が硬く感じる
朝起きたときに膝がこわばり、動かしづらいと感じる場合、関節リウマチや変形性膝関節症などが関連することがあります。特に関節リウマチは、朝のこわばりが特徴で、体を動かし始めると少しずつ改善することが多いです。
運動後や長時間の座位の後に膝が痛む
運動後や長時間座った後に痛みが出る場合、膝の軟骨のすり減り(変形性膝関節症)や筋肉の疲労が考えられます。特に中高年層に多く見られる症状で、日常生活でも膝に負担がかかりやすくなるため、予防とケアが大切です。
膝の周りが腫れている、熱感がある
膝周辺に腫れや熱感がある場合、炎症や怪我が原因であることが多いです。これは関節炎や滑液包炎などの症状と関連している場合があり、早期に適切な処置を行うことが望ましいです。
内側半月板損傷・
変形性膝関節症について
上記に挙げた疾患の中でも、特に多い疾患について解説いたします。
内側半月板損傷・
変形性膝関節症の原因
膝の半月板部の圧痛やレントゲンで関節がすり減っている、エコーで膝に水が溜まっている、半月板が関節から逸脱している事で診断します。
内側半月板損傷・
変形性膝関節症の診断
膝の半月板部の圧痛やレントゲンで関節がすり減っている、エコーで膝に水が溜まっている事で診断します。
内側半月板損傷・
変形性膝関節症の治療
軽度の損傷が多く一回のステロイド注射でほとんどの方が痛みは消失します。症状が残っていれば5回のヒアルロン酸注射を追加して経過を見ます。それでも改善がない場合はMRIで調べます(まれに骨壊死など)。症状がなくなっても対策をしないと再燃は必発で、インソールでO脚を矯正、減量、四頭筋訓練で将来に備えましょう。
症状が酷い場合
痛みが強く変形が進行した関節に対しての根本治療は再生医療でも難しく、人工関節手術が行われます。ただし合併症などの観点から全員に勧められる治療ではなく、定期的なヒアルロン酸注射で日々の生活が痛みなく過ごせる患者様も多くおられます。それでも痛い場合は膝のサポーター、漢方や湿布の治療、運動療法(リハビリ指導)もあるのでご希望の患者様はお伝え下さい。リハビリの方法などの詳細は当院インスタグラムで紹介していく予定です。更新をお待ちくださいませ。
膝の痛みの検査・診断方法
当院では、以下の手順で詳細な検査・診断を行っています。
1.詳細な問診
- いつ頃から痛み始めたのか?
- どんな動作で痛みを感じるか(立ち上がり、階段、歩行時など)?
- 痛みの性質(常に痛むのか、時々なのか、徐々に強くなっているのか)
など
2.膝の状態確認(触診)
- 腫れや熱感はないか?
- 膝に水がたまっていないか?
- 変形や赤みはないか?
- 膝の安定性は保たれているか
など
3.歩行分析
- 実際に歩いていただき、膝や足全体の動きを確認
- 体全体のバランスもチェック
など
4.画像診断
- 膝の骨の状態を確認
- 関節の隙間の具合を確認
- 骨の変形がないかどうかを確認
など
これらの検査結果を総合的に評価して、最適な治療方針を決定いたします。
膝の痛みの治療
膝の痛みの治療方法は、痛みの原因や症状の程度によって異なります。以下に一般的な治療方法をご紹介します。痛みを緩和して、膝の機能を回復させるためには、適切な治療とケアが重要です。
薬物療法
外用薬
クリーム、軟膏、ゲル、湿布などの外用薬を使用します。非ステロイド系抗炎症剤の成分が皮膚から吸収され、局所の腫れや痛みを抑えます。急性期には冷湿布、慢性期には温湿布を使い分けることで、より効果的な治療が期待できます。
内服薬
強い痛みがある場合は、消炎鎮痛剤の内服を行います。ただし、長期使用による副作用を考慮して、症状の改善に応じて外用薬に切り替えていきます。
膝のヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸はもともと健康な人の関節内に含まれている成分で、関節の中の潤滑油と言われ関節の動きを良くする作用と鎮痛作用があります。
関節がすり減るとヒアルロン酸の濃度も減るため関節注射は、その「補充をする」という治療です。
注意点
- 補充を続ければ関節が治っていく、という物ではないので当院では症状がある方に鎮痛剤としてお勧めしています。
- 痛みがなくなってしまえばそれ以上の注射は不要です。
- 痛みが再燃したときに注射に来院頂ければ結構です(予約なしで当日来院でも結構です)。2ヶ月期間が空けば医師の診察が必要になります。
- どんどん痛みが強くなる場合や半年間注射を続けても痛みが取れない場合は医師の診察を受けて下さい。
リハビリの方法(四頭筋訓練)などの詳細は、適宜、当院インスタグラムで紹介していく方針ですので、更新をお待ちください。
よくある質問(FAQ)
膝が痛い時、整形外科か整骨院のどちらに行くべきですか?
原因の特定と、投薬や手術を含めた総合的な治療が必要な場合は整形外科を、夜間の施術や原因不明の痛みの緩和を希望される場合は整骨院をおすすめします。
膝の痛みは自然に治りますか?
初期の軽度な症状であれば、1~2ヶ月で自然に軽快することもあります。ただし、正座や長時間の歩行を避けて、体重管理に気をつけるなど、生活管理が重要です。
膝が痛い時にやってはいけないことはありますか?
痛みを感じる動作は控えることが基本です。特に関節の炎症がある場合、無理な運動で症状が悪化する可能性があります。
膝が痛い時にすぐできる対処法は何ですか?
怪我による急性の痛みには「RICE処置」が効果的です。
- Rest(安静):過度な運動を避ける
- Icing(冷却):15~20分程度の氷冷却
- Compression(圧迫):適度な圧迫で腫れを抑制
- Elevation(挙上):心臓より高い位置で保持
ただし、これはあくまで応急処置です。症状が継続する場合は、当院での適切な診断と治療を受けましょう。